東京家庭裁判所 昭和57年(少)10582号
主文
この事件を東京地方検察庁検察官に送致する。
理由
(罪となるべき事実)
少年は、
第1 Aと自動二輪車を使用し通行中の女性の後方から追いつき同女らからハンドバック等をひったくることを共謀して
(1) 昭和56年11月13日午後11時53分ころ、東京都練馬区○○×丁目×番××号先路上において、歩行中のE子が左肩にかけて所持していた同女所有の現金4500円位および外国紙幣5枚、キャッシュカード、クレジットカード等23点位在中のショルダーバック(時価3万9000円相当)を同女からひったくって窃取し
(2) 前同月16日午後9時10分ごろ、同都新宿区○○×丁目××番××号○○荘前路上において、歩行中のF子が右手に所持していた同女所有の定期券、身分証明書、眼鏡、鍵、書籍在中のハンドバック(時価5万5000円相当)を同女からひったくって窃取し
(3) 前同日午後10時55分ころ、同都練馬区○○町××××番地の×先路上において、自転車で走行中のG子所有の現金5,600円位およびダイヤの指輪(時価20万円相当)、キャッシュカード、身分証明書、運転免許証、ガスライター等21点位在中のボストンバック(時価4000円相当)を自転車の前部荷籠からひったくって窃取し
第2 Cと共謀のうえ昭和57年5月29日午前9時30分ころ、前同区○○×丁目×番×号先路上において、H所有の自動二輪車1台(時価30万円相当)を窃取し
第3 前同日午後5時ころ、前同区○○×丁目××番××号○○荘アパート敷地内において、C所有の自動二輪車のチェーン1本、バックステップ1組(時価3万3000円相当)を自動二輪車から取りはずして窃取し
たものである。
(適用すべき法令)
各刑法235条、なお第1および第2の各事実については、さらに刑法60条
(検察官送致の理由)
少年の非行事実は、前記のとおりである。ところで、少年は前記事実のうち第1の各事実については一貫して頑強にその犯行を否認しているが、共犯者Aが具体的かつ詳細に供述しており、その供述を裏付ける証拠も存在しており、その事実は一応認められる。しかし、これら各証拠も附添人提出の証拠と対比すると、なお解明すべき疑点が生じており、特に証拠上重要視すべき被害品の一部とされているものが、はたして被害者のものと一致するかどうかについては疑わしいものがあり、審理の経緯に徴すると、これらは対審手続による刑事裁判によって事案の真相を明らかにして罪責の有無を明確にすることが相当である。その他本件は窃盗ではあるが、一部は夜間自動二輪車を使用しての、ひったくりという事案であって、しかも保護観察中の犯行であることなどの罪質および情状に照して刑事処分を相当と認める。よって少年法23条1項、20条を各適用して、主文のとおり決定する。